Research (4)


スピノーダルナノ分解を利用したCuInGaSe2太陽電池の超高効率化のデザイン


 KKR-CPA法による第一原理計算に基づいて、Cu[In1-XGaX]Se2の混合エネルギーと 自由エネルギーの計算からスピノーダルラインやバイノーダルラインを計算した結果、 この系はナノスケールでのスピノーダル分解をおこす系であることがわかった。 それにより、スパッタリング法やスプレー法、あるいは塗布法などの2次元的な結晶成長法では、 昆布相が形成され、Inの濃いナノ超構造とGaの濃いナノ超構造にナノスケールでスピノーダル分離し、 それによって、タイプIIのバンド・オフセットが可能になり、 太陽光によって生成した電子とホールをナノスケールの実空間で分離して集めることが出来るため、 ダイレクト・バンドギャップ半導体における電子とホールの再結合を抑制し、高効率化が可能になる。

図4:SIC-LDAとKKR-CPA法による混合エネルギーの計算とスピノーダル線およびバイノーダル線の計算結果。

 また、ナノスケールの量子細線(昆布相)により、電子準位が離散化するため、 フォノン(熱)への電子エネルギー転移が抑制され、逆オージェ効果による多重励起子の創成が可能となり、 高いエネルギー変換効率が可能となる。


図5:ナノスケール・スピノーダル分解による昆布相の形成とタイプIIのバンド・オフセット。 太陽光電子励起による電子(e-)とホール(h+)をナノスケールで分離することができる。

図6:昆布相を利用したナノ超構造高効率太陽電池の構造図と創製法。